四面楚歌って不思議だと思いません?楚のひとたちは漢に投降したのに、どうして楚の国の歌を歌ったのでしょうか。
なぜ漢の国の歌を歌わせなかったのかまとめてみました。
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漢の歌を歌わなかった理由
当時の中国は群雄割拠。のんびりと「国の歌を覚えましょう~」といったことはやってられません。
城に立てこもった項羽を動揺させるにはどうしたらいいか、と劉邦は考えたのではないでしょうか。
たぶんここで漢の歌を歌ったら、項羽のやる気スイッチが入ってしまったことでしょう。
そこで、漢は揺さぶり作戦を取ります。
漢に下った楚のひとたちに、故郷の歌を歌わせたのです。幼いころから慣れ親しんだ故郷の歌を聞いて項羽はどう思ったのでしょうか。
友人たちとともに歌い、母に教えられてきたであろう曲を聞いて項羽は激しく動揺したに違いありません。
歌を聴いてなぜ項羽と虞美人は悲しんだのか
項羽たちは城に立てこもって戦っていましたが、食料も満足にない防衛戦ですから苦しかったろうと思います。
少なからず、楚の若者が命を落とすたびに項羽は罪悪感を抱いていたでしょう。
そんななか聞こえてきた故郷の曲は、楽しく無邪気に笑う幼い日々の事を項羽に思い出させたはずです。
だからこそ自分たちの戦況のひどさを思うとたまらない気持ちになったのではないでしょうか。
直接の恨みつらみの声よりも、ただただ繰り返される故郷の歌。
脳裏によぎる在りし日の楽しい思い出と、兵士が次々に亡くなっていく現状を見て項羽はひどく悲しみ動揺したことでしょう。
まとめ四面楚歌の難しさ
漢の国の歌を覚えさせている暇がなかったのではないか。
そもそも「買った国の歌を歌わせる」という文化がまだなかったのではないか。
故郷の歌を聞かせることで項羽の心に郷愁の思いを呼び起こすために歌わせた。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
なぜ楚の歌を聞いて動揺したのかはっきり書かれていませんが、故郷の歌は強い武人である項羽の心を揺さぶる力があったに違いありません。
幸せだった子供時代と、今自分が引き起こしている混乱状態とを思い、ひどく泣いたのではないでしょうか。