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『知的生産の技術』読書記録

こんにちは、スガワラユウです。今回は古い本でありながら、現代にも十分通用する教養書を紹介します。ブログや文章執筆をしたいけど、うまくかけないとき。大学生になったばかりでリポートを書かされているけど、全然かけないしどうしたらいいかわからない。そんなあなたの助けになるような本です。

Contents

知的生産とは、今のインターネット時代に合うもの

今回ご紹介する『知的生産の技術』は私が生まれる前に書かれた本ですが、情報整理の基礎の基礎、イロハをしるのに最適な本です。ブログを書くとき、リポート提出を求められたときに、最初にあなたがやるべきことは紙を広げることでもパソコンを立ち上げることでもありません。

まずはB6サイズのカード(ハガキ大と考える)を用意して、書きたいネタ、頭の中のアイディアを書き出すべきだ、とこの本は言っています。

学習机右側の、大きな深い引き出し

あなたが小学生だった時、学習机の右下にある、一番大きくて深い引き出しがついていたのを覚えていますか?また、企業にお勤めの方でご自分のデスクがあれば、用途不明の大きな引き出しがあると思うかもしれません。正解は、「フォルダーと呼ばれる、厚紙を半分に折ったものの間に書類を入れて、つるすように立てておくためのスペース」なのです。

要は、ドキュメントケースのように書類を縦に保管するためのスペースと言うことですが、親にも学校の教師にも、はたまた会社でも教えられませんでした。

私が学校勤めしていた時も、産休に入った前任者の机を見ると、右最下段の引き出しには未処理の書類が平置きにドンドンと入れられていただけなので、やはり本来の用途は広く知られていないようです。

 

リポートを書く前に情報カードで整理する

リポートを書けといわれて、いきなり原稿用紙に向かう。もしくはいきなりパソコンを開いてしまうのはNGです。なぜなら、「何をどう書くか」机の前で固まってしまい、そこから作業が進まないからです。あなたも経験ありませんか?私はよくありました。

リポートを一から書く作法はともかくとして、書きたいことはあるけれど、うまく文章にできない。そんな時に用意してほしいのが「情報カード」という、B6サイズのカードです。

要はB5ノートを半分に切ってもよいですし、100円均一に売られている、「お買い得ハガキセット50枚」などを用意して、書きたいことをひたすら書くだけでよいのです。

ひととおりアイディアを吐き出したら、そのカードを広い机か床にでも並べて、関連性のある事項でまとめます。

例えば、「雨にぬれずに自転車に乗る方法」をお題とするならば、①「手が空く雨具」「かびない」「便利なもの」というカテゴリーでまとめます。②「これまでの雨具は重くてかさばる」「すぐかびる」「女子は下だけジャージのズボンでいやだ」と言った問題点のカテゴリーでくくります。そして③「頭にかぶる傘」「オーダーメイド雨具」「水をはじいてよく乾く」「ずぼらさんでも取り扱い楽ちん」のようなカテゴリーで分けると、書くべき文章が見えてきます。

例 ①雨のときに手を使わず、安全に自転車に乗るための対策を考える。例えば、「手が空く雨具で、かびたりしなくてかさばらない便利なものが求められている」などと始めます。

②これまでの雨具は、重くてかさばるうえ、ぬれると重くなるし、着いた後も気をつけて脱がないと服がぬれてしまう。
梅雨の時期は毎日使うので干すタイミングも少なく、油断するとカビが生えるし、塩素系漂白剤を切らしているとカビの生えたまま着ていかなくてはならない。

ズボンタイプのものは足が汚れなくていいが、そのたびにジャージのズボンをはかなくてはならず、上が制服、下がジャージのズボンと言うとんでもない格好になってしまう」のがこれまでの悩みであった。

③それらの問題を解決する手段として、「頭にかぶるタイプの傘や、良く乾く素材、自分の好きな布やデザインで着やすく作られた雨具、とても乾きやすいのでお風呂場で釣るして置けば1時間くらいで乾いてしまう雨具の開発が期待されている。これにより、雨のときに不便が無くなり、傘さし運転での転倒やケガを減らすことができると考える」と言うようにまとめていきます。

人間の頭は非常に複雑な働きをしますが、一気に出そうとするとどうも詰まってしまうことがあります。ビンに入れたビー玉を出そうとひっくり返して、途中で詰まったようになってしまうことはよくあること。

そうやって固まっている時間がもったいないので、アイディアをカードに書き留めますが、それはまるでビンのなかから一個ずつ丁寧にビー玉を取り出すような作業です。

中には「わざわざ紙に書き出すなんて時間がかかる。私はそんなことしなくてもかけちゃうわ」という方もいるでしょう。昔の私もものぐさで、アイディアを紙に書くのがめんどくさい人間でしたのでちょっとだけわかるのですが、手を動かす方がはるかにいいです。

その理由は簡単で、「私たちの手は脳とつながっており、脳の延長として手があり、鉛筆があり、紙やノートがある」という歴史のほうがはるかにはるかに長いからです。実際に学校の授業をタイピングしても頭に入りますが、手を動かして字を書いていくと、「ページのどのあたりに、こんな字を書いていた」という経験、記憶が残るので脳にとって強い刺激になりうるのです。

まとめ~情報発信するなら、フォルダーとカードを使い倒せ

ここまでお読みくださりありがとうございます。情報発信、ブログを書く、リポートを書くときはやる気満々ですが、実際作業するとなると固まってしまいがちです。書きたいことが頭の中に一杯になっているときでさえ、そうなのです。

そんなときはうまくまとめられない自分を責めず、一つ一つアイディアをカードや紙切れに書き出して(カードを買わず、コピー用紙を半切りにして使っても構いませんが、できるだけサイズはそろえるようにすると扱いやすいです)いろいろ並べ替えてやると、リポートを組み立てる道筋がはっきりと見えてくることでしょう。

今やすっかりデジタル時代ですが、手書きやアナログな資料整理の技術はまだまだ欠かせません。書けないと頭をかきむしる前に、ぜひ紙に書き出す習慣をつけてみてくださいね。

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