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『ねこがあらわれた』打ち切りはつらいよ~第1話感想

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打ち切り決定後、最後の巻が発売されてから今日でおおざっぱに考えて3年経ちました。

『ねこがあらわれた』と言う漫画は、決して「猫に人が振り回される」のではありません。

「スタッフの間に猫がすっぽりおさまっている」という、かなりの変わりダネ漫画です。

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『ねこがあらわれた』の作者は画力がすごい

作者である行徒先生は『北斗の拳イチゴ味』の作者、行徒妹先生のお姉さんです。妹の行徒妹先生も北斗の拳の絵柄を完全に再現しているので画力がバケモノクラスですが、お姉さんの行徒先生も「漫画原稿なんだけど色鉛筆で手作業で仕上げたのだろうか」と思わせるようなとにかく繊細な絵を描きます。

失礼ながら、「掲載紙間違えてない?」と思うような高レベルの画力と力の抜けたギャグが持ち味の作家です。

というわけで感想へゴー。

『ねこがあらわれた』はとにかくヘンな猫漫画

さて、打ち切りになったあとあまり話題にならないかと思っていましたが、何回か下の↓記事を読んでくださっている方がいるのでまた感想をかいてみます。
読んでくださってる方々、ほんとにありがとうございます!

【行徒】「ねこがあらわれた!」が打ち切りなんて納得いかない…

最初は当然、仕事中に猫とほのぼのするエピソードをちりばめた作品だとか、いたずらに振り回される話だと思っていました。

らいぞう(雷蔵という名前で女の子)とかいうネーミングセンスもすごいですが、スタッフが全員ぶっ飛んでる。

猫のいたずらを止めるために大きい音を出せとアドバイスしたら、空き瓶でキッチンをガンガンたたき出すショルダーさん(行徒先生のアシスタントさん。肩幅がめっちゃ広いらしい)。
常識人とされるザ・ライスさんも「朝起きたあと、一時間かけてソシャゲのログインボーナスをひたすらとる」という変わった…というか超フリーダムな方たちが集まっている職場です。

その中でらいぞうとリンは猫らしいいたずらもしつつ、スタッフの荒んだ心をなぐさめる存在として職場の中心にいるのです。

猫よりもまわりのスタッフが面白い

さて、猫漫画ということで猫の起こすトラブルを心待ちにしていた編集さんの期待通りになるエピソードが起こります。

ワイルドマウスという、電池で動くおもちゃを与えて2匹の猫が食いつく場面を見ようということになったのですが、なんと本棚のすきまにワイルドマウスが突撃して取れなくなります。

当然おもちゃなんで、壁を傷つけるなどもないですし本棚の後ろに行ってしまってもある意味問題はないのかもしれませんが。

リモコンではなく電池式なので、すきまに入ってしまえば電池が切れるまでがりがりと言う音と付き合わなければなりません。

しかも本棚にふれてワイルドマウスがドドドドドドドドドとでかい音を立てている。

持ち家ならまだしも、賃貸だと他の部屋にも音が響くのでほっとくわけにはいかない。

ということで行徒妹先生がタンスのすきまに入っていって50センチ定規をすきまにつっこんだり、固いメジャーをのばして取ろうとしますが全く取れず、ミニピンチ…!といった状況になります。

最終的にメジャーの先にガムテープを貼りつけてショルダーさんが何とかワイルドマウスを回収します。
その後電源を切ったワイルドマウスを猫たちに与えると、猫の本能のままビシバシ叩き続けるらいぞうの絵で終わります。

というか、明らかにスタッフの方が面白いよ。この漫画。

 

まとめ

感想は以上です。
今思えば、これは絶対に「猫漫画じゃない」ですよね。
スタッフさんの考えていることに対して全然食いつかない猫というコンビネーションがほんと面白いですし、むしろとんでもないことを始めるスタッフさんと話のオチを自分で回収するショルダーさんに笑っちゃいました。

3巻で編集さんが「作者の個性を出しすぎた」っていってますけど、作家のとんがった個性を売り出さなくてどーすんの?という感じはしますね。

スタッフとともに執筆活動を支えてる猫の漫画なんてなかなかないし、らいぞうとリンちゃんをメインに出さなくても「漫画家のリアル」とか「漫画家を目指す人に向けてのメッセージ」とかそんな感じでいくらでもネタが出てきそうだなとは思うんですけどね。ということで第2話に続きます。

ワイルドマウスはこんな商品です。

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スガワラ

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