宮崎駿作品にはかならずといっていいほど美味しそうな食べ物の描写がありますよね。ルパンががっつくように食べるパスタ、キキが身を寄せたパン屋など、とにかく食べ物をおいしそうに描く天才。それが宮崎駿さんです。
さて、「アド街」で宮崎駿さんの愛したパンが話題になっていますね。全国あちこちにお気に入りのパン屋さんがあるみたいですが、今回は東村山のパン屋さんについて調べました。
Contents
【シベリア】トトロ構想中に出会ったパン
宮崎駿さんは東京都東村山市にある八国山(はちこくやま)緑地や淵の森を散策してトトロの構想を練ったことは有名です。その際秋津駅目の前にある「サントアン」に立ち寄り、パンを買い求めていたというんです。
シベリアという名前とは裏腹に、あんをはさんだカステラの姿をしたおやつ。今でも地方のスーパーで売られていますが、食の多様化にともないなじみがうすくなっているお菓子です。
カステラ生地をしいたうえに溶かした羊羹を乗せてカステラ生地で挟みます。しかもサントアンの「シベリア」は生地がしっとりしていて気をつけないと形が崩れてしまうほど。
スーパーで売っているシベリアを食べたことがあるんですが、流通途中でくずれないように結構しっかりしたカステラ生地と固い羊羹の組み合わせなので、けっこう食べ応えがある印象です。
それに対してサントアンのシベリアはまるで水ようかんのような中身。店頭で売られるものですからあまり日持ちはしないかとおもいますが、それゆえに繊細なカステラ生地、舌触りのよい上品な羊羹はまさに絶品と言えましょう。ラップでくるんでから冷蔵庫で冷やすと、ひんやりしっとりした「シベリア」が楽しめます。
※宮崎駿さんもシベリアを食べていたでしょうが、たぶんシベリアだけでなく他のパンも食べていたと思います。
サントアンで買えるかわいいパン
東村山市はトトロで有名になりましたから、トトロ関連のイベントなどもちらほら見られます。
さて、サントアンでトトロの形をしたパンも売られていますよ。中はチョコレートクリームですが、表面のデコレーションが個性的だと話題にもなっていますよ。
トトロは耳がとがっていますが、サントアンのトトロはお耳が丸くてまるで狸のよう。焼き上がり直後の温度の関係もあるのか、目があっち向いたりこっち向いたりしていますが、ちょっとおとぼけな表情をしたパンを見ていると思わず笑ってしまいます。
やはりキャラクターパンはつくるのも大変なようで、よくできたものからどんどん売れて愛嬌ある顔をしたものは残りがちなのだそう。
まとめ
宮崎駿さんはあちこちにお気に入りのパン屋がある。作中でとにかく美味しそうな食べ物の絵を描く。
トトロ構想中に宮崎駿さんが夢中になったのが、サントアンのパン。シベリアがとにかく絶品。
以上調べてみました。
宮崎駿さんの映画はどの人物も豪快に(ちょっとはしたなさもあり)食べ物に食らいついていますが、ふしぎとそれがおいしそうに見えるんですよね。
トトロでもキュウリの端っこを食いきってプッと飛ばしてかじるサツキの姿、トウモロコシを抱えたメイの姿など簡単に思い出せます。
同僚の高畑勲さんがパンを食べている姿を見ていたというので、もしかするとおいしいパンを買ってきて高畑さんに差し上げて、そのおいしそうに食べる様子を絵コンテに残していたのかもしれません。
宮崎作品を生き生きと彩るもの。それが食べ物であったり、パンへのこだわりであったのだと思います。
参考サイト、資料
東村山市公式サイト『るるぶ特別号東村山VOL2』『るるぶ特別号東村山VOL4』『るるぶ特別号東村山VOL5』