「凄絶」も「壮絶」も程度がはなはだしいものを指すと思い込んでいました。
漢字辞典をひいたら、両方の言葉にはっきりとした違いがあったのでまとめますね。
Contents
漢字の意味はそれぞれこんな意味
「絶」の意味はこれだ!
「絶」の読み方は「たえる、たやす、たつ、はなはだ」というもの。
へんが「糸」なので、織機にかかわる言葉なんですね。
織機で織っている途中の糸を切る形が「絶」だと言われています。
ちなみに、つくりの部分に「色」が入ってるのが不思議じゃないですか?
もともと「色のついた糸」という意味もあったので、「絶妙」という字のように「はなはだ優れている」という意味もあったようです。
「凄」の意味はこう。
「凄」はもともと「寒い」という意味を持つ漢字でした。
冬場に震えてしまうような寒さというより、氷にふれて「冷たっ」とおもうようなことに使っていたようです。
では、どうして「すさまじい」という意味を持つようになったのでしょうか。
実は「凄」と似た漢字で、「淒」という字があるんです。
この「淒」という字は「すさまじい、さびしい」という意味があるんですね。
どうも音読みが同じ「セイ」だったので、途中で意味がくっついてしまったみたいです。
よく考えてみれば、にすいの「凄」とさんずいの「淒」を使い分けろって言われたら大変ですもの。
「壮」の意味はこれ。
「壮」の字は、向かって左側が「戦勝祈願のお祈りをする時に肉を置いたテーブル」の形だそうです。
向かって右の「士」は戦士を表します。
集団のリーダーとして全体をひっぱっていく人という意味があるので、位の高い戦士という意味がありました。
そこから「さかんである」とか「つよい」という意味が出てきました。
「凄絶」と「壮絶」の違いは?
凄絶
「息をのむほどすさまじい」様子を指します。(岩波国語辞典)
「ぞっとするほどものすごい」様子(現代新国語辞典)
壮絶
「他に似たものがないほど勇ましく激しいこと」。(岩波国語辞典)
「他に類がないほどひどく勇ましく意気盛んなこと。この上なく勇壮」(現代新国語辞典)
「凄絶」はあるものから放たれる気迫やオーラのすごさ、「壮絶」は「勇ましさ」がポイントになっているようです。
まとめ
「絶」という字は「たつ」という意味を持つ漢字です。
今回の「凄絶」「壮絶」では、「たつ」という意味より「はなはだ優れている」という意味の方が合うようです。
ということで、「凄絶」というのは相手のオーラがすごすぎて、寒気すら感じるほどのすごさ、すさまじさと考えたらわかりやすそうですよね。
また、「壮絶」についてはめちゃくちゃ勇ましくて勢いもすごいという意味があります。
凄絶は「オーラ系」、壮絶は「勇ましい系」という風に覚えてくださいね~